〜〜Zephyranthes〜〜
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小さな小さなおもちゃ箱。
ここには人形が眠ってる。
3つの可愛いお人形。
可愛い可愛いお人形。
でもお人形は可愛いといわれて、喜んでいるのでしょうか。
お人形達は何も答えない。
だって、人形ですから。
お口の無いお人形。
お話できないお人形。
でも、お人形だって物を考えるのかも、しれませんよ。
こはくいろのひとみのにんぎょう
そら。
しろいそら。
あおいそら。
あかいそら。
いろんなそら。
そらのしたで、みんながたのしそうにあそんでる。
はしって、わらって、たのしそう。
わたしは…ただ、それをみてるだけ。
なにもかんがえないこころで。
なにもうつさないひとみで。
ただ、みてるだけ。
なのにどうして。
こんなにくるしいんだろう。
みんなみんな、なんでたのしそうなんだろう。
わたしは…なんでたのしくないんだろう。
わたしはにんぎょう。
わたしはにんぎょうだからたのしくない。
でも、にんぎょうだとくるしくない。
くるしいのはいやだから。
だからわたしは、おにんぎょうになる。
なにもかんがえない、おにんぎょうになる。
ひすいいろのひとみのにんぎょう
わたしはにんぎょう。
わたしはにんぎょうになるんだ。
たいせつでだいすきなあのひとをたすけられなかったわたしは。
にんぎょうにならなきゃだめなんだ。
いっしょにいるってやくそくしたのに。
いっしょにあそぶってやくそくしたのに。
いっしょにずっと、いてあげるっていったのに。
わたしが、そんなやくそくをしたから。
あのこはもう、このおうちにはいられなくなっちゃった。
わたしのせい。
わたしが、あんなことをいったせい。
わたしが、なにもできなかったせい。
わたしが、みごろしにしちゃったせいで。
あのこは、しんじゃった。
だいすきなあのこはしんじゃった。
だからわたしは、にんぎょうにならなきゃだめ。
なにもできないこは、にんぎょうといっしょなんだから。
だからわたしは、もうしゃべらない。
もう、たのしいっておもわない。
わたしは、にんぎょうだから。
きれいなままの、おにんぎょうだから。
ながいかみのにほんにんぎょう
わたしにはあにがふたりいる。
でもわたしはひとりしかすきじゃない。
わたしをまもるっていってくれた、あのひとしかすきじゃない。
ほんとうのあにはこわい。
なんだかおっきなかいじゅうをみているみたいで、すごくこわい。
いつかそのかいじゅうにたべられちゃうかとおもって、すごくこわくなる。
でもあのひとはちがう。
こわくない。
すごくやさしくて、あったかくなる。
まるでおひさまみたいにやさしいの。
それに、あのひとはわたしをまもっていってくれた。
わたしのそばにいてくれるっていってくれた。
ほんとうのきょうだいになってくれるってやくそくしてくれた。
だから、こわくない。
あのひとはきっと、あのかいじゅうからわたしをまもってくれるんだっておもう。
あのひとはわたしをたすけてくれるんだっておもう。
わたしも、あのひとをまもってあげたいとおもう。
いつかわたしをまもってくれたとき、きっとそのおかえしをするの。
あのひとのために、わたしはわたしのちからをつかうの。
きっときっと、おかえしをするの。
おもちゃ箱をしまいましょう。
お人形達をしまいましょう。
おやすみなさい、お人形達。
ゆっくり眼を閉じ、休みなさい。
いつの日か。
立って歩いて、おじぎをして。
話せるときが、来るまでは…